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“最高”になった日とLegenders

「最高になる」。
日常的にこんな言葉を使う機会はおありだろうか。
「○○ is 最高」ではなく「be 最高」である。具体的にどんな状態が最高になることなのか説明するのは難しいが、この世には手っ取り早く“最高”になれるものが存在するのだ。


そう、


THE IDOLM@STER SideM PRODUCER MEETING 315 SP@RKLING TIME WITH ALL!!!である。


SideMを初めて浴びてから10ヶ月、ついに生のアイドルたちの輝きを浴びる機会がやってきた。それがTHE IDOLM@STER SideM PRODUCER MEETING 315 SP@RKLING TIME WITH ALL!!!以下プロミだ。

SideMのプロミの概要は秘密のベールに包まれていたが、ご出演者一覧に神速一魂のお二人と推しのお名前があったので(神楽麗のことだ)、生まれて初めてイープラスにチケットをお願いしてみた。
お優しいフォロワーさんの応援とイープラスを抱き潰すイメトレの甲斐あって、3月15日公演のチケットがご用意され、もうお一人の推し、都築圭役の方が追加でご参加される18日はライビュでご用意された。

めでたくチケットをご用意されたはいいが、所謂アイマスイベントの初心者だったため、先輩プロデューサーに色々教えていただいた。
サイリウムポーチが便利だとか、プロデューサー名刺を作る等、様々なお作法があると知ったわたしはいそいそと準備をし、ささやかながら生まれて初めて痛ライブポーチというものも作った。完全に浮かれポンチである。
しかし、いままで円盤でしか見れなかったアイドルを生で見られるのだ。この日のために生命保険にまで加入もした。

ただ、今回はユニット色は薄く、属性重視のトークメインのイベントになると憶測されていたので、ユニット何人カウントワン主義(ユニットを構成しているのが何人でもカウントは“ワン”主義のこと)のわたしは、気楽に楽しもうという気持ちで3月15日を迎えた。

後に死の3日間と呼ばれるプロミの始まりである。

SideMのプロミはざっくり言うと、トーク・寸劇・ライブパートに分かれており、寸劇の構成としては3日間行われる秘密の合宿に315プロダクションの皆が参加するというものだった。
プロデューサー参加型イベントというコンセプトのもと、トークは事前に募集された話題についてアイドルたちが言及したり、寸劇では我々も火やパッションの精霊となって劇に参加したり、アイドルが次に行う選択肢を会場の人々の投票したりと、会場一体となって行われた。

会場一体というのは何も参加型寸劇だけの話ではない。アリーナには花道も設けられ、時にはスタンド席の近くまで演者の方々が来てくれる時もあった。
距離的にも雰囲気的にも、いつもよりずっと近しい距離感のなかで我々はトークを楽しみ、寸劇では本業の“演技”を堪能することができた。
クイズコーナーは三日目になる頃にはなぜか正解そっちのけでキュートポイントを競っていて大変癒されたし、なぜか推しの水に対するこだわりを知ることができた。全員キュートポイント315億点だ。

わたしの席は三階スタンド席で、始まる前は「それじゃわたしはここで優雅に楽しませてもらいましょうかねえ」と調子こいてイキっていたのだが、Beyond the dreamで幕が上がり、トークや寸劇が始まると、全力で火にも水にもなったしパッションの精霊にもなった。
トークの一番好きな歌詞ランキングでは、Symphonic Braveについて言及されたときにボロボロ泣いていたのだが、それについては割愛する。


恐怖のパッション爆裂楽曲シャッフル大作戦
さて、プロミがなぜ死の3日間と呼ばれているのか(わたしが勝手に呼んでいる)、それはパッション爆裂楽曲シャッフル大作戦に大きく起因する。
事前に投票したユニットの曲をシャッフルし、属性ごとに歌わせるという企画に連日大量の死者が絶えなかった。
わたしはどちらかというと、投票の段階ではこの話題にあまり興味を抱いていなかった。
ユニット何人カウントワン主義だったこともあり、例えば「スマイルエンゲージをどの属性に歌ってほしい?」って聞かれたら「強いて言うとBeitですかね」みたいなキャッチボールを放棄した返答しかできない。
そのため、一日目のライブパートで属性曲を浴びたあと「シャッフル大作戦だ!」と周囲が盛り上がっても「わたしは優雅に楽しませてもらいましょうかねえ」とこれまたイキっていた。

そう、メンタルメンバーによる♡Cupids!が始まるまでは。

最初の1秒くらいは「♡Cupids!はずるいやろ……いや♡Cupids!なんてずるすぎるわ……」と辛うじて理性を保とうとしていたがもう無理だった。
あまりのキュートさに一挙一動に歓声を上げてしまったし、自分こんな黄色い声出せたんだ………と引くぐらい黄色い声を出してしまった。ペンライトがメンタルカラーの黄色だったというのも声の黄色っぷりに拍車をかけた気がする。それぐらい黄色い声を挙げてしまった。
♡Cupids!が終わるとそれまでのユニット何人カウントワン主義はすっかり鳴りを潜め、続くフィジカルでもインテリでもちょっともう思い出すと恥ずかしいくらいキャーキャー言ってしまった。
「スマイルエンゲージを歌ってほしい属性?Beit」等と言ってたくせに神楽麗役の方の「えがお~」がカメラに抜かれた瞬間、“人間は尊さがすぎると呻き声がでる”ということを生まれて初めて知った。

誠に現金なことに、続く二日目・三日目のシャッフル大作戦をメチャクチャ心待ちにするようになってしまった。
三日目のシャッフルタイムには初めてフライングダイナソーに乗った時のような動悸を感じたし、ライビュで見たムンナイの朱雀に生まれて初めて膝が崩れ落ちた。
どの口がカウントワン主義と言えたのだという話だ。イキっていたのが恥ずかしい。わたしが愚かだったのだ。

初日のパフォーマンスを見るまではユニットの枠を越えるということにいまいちピンと来ていなかったのだが、寸劇やトーク、ライブパートでそのアイドルのいつもと違う一面や新たな可能性が想像していたよりもずっと可能性が広がったように見えたからだ。
推しに関して言うと、二日目に麗がReversed Masqueradeの咲ちゃんパートをした話を聞くと「ウソ………麗が夜をドレスに!?」と驚きつつもありをりはべりの“あり”だと思った。麗にちょっと可愛い小悪魔系のパートを合わせようと決めた人は天才に違いない。
麗の他にも色んなアイドルの新たな可能性に気付けたので、これは本当にいい企画だと感じた。

そして、魅力を再確認できたのはアイドル個人の話だけではない。ユニットの絆のようなものにも再確認できる瞬間が多々あったのも有り難かった。
印象深かったのは彩の翔真さんと九郎さんだ。翔真さんは初日から華やいだ雰囲気とチョー可愛いパフォーマンスで始終会場を盛り上げて下さった。
三日目の最後の挨拶時、翔真さんが「すごく頑張りました」と語られ、輝きの華村屋コールをした後に、九郎さんが「知ってたよ」とお声がけされたのを見て、とんでもないものを好きになってしまったと思った。翔真さんは初日に「初めてエモの意味を知った」とニコニコされていたが、いやこれこそエモの極みというやつだろう。あまりのエモさに命を落とすところだった。

この光景を見て、なんかもうよくわからないが“最高”になってしまったのだ。理屈ではない。頭の先から爪先、血液の一滴一滴にわたるまで“最高”になってしまった。
ユニットという枠を越えて挑戦すること、新しいステージで輝くこと、その姿をユニットのメンバーが見守っていること、そしてユニットに環るということ。
「エモも積もれば“最高”になる」、こんな体験ができたのも、アイドル達が本当に一生懸命素晴らしいパフォーマンスをしてくれたお陰だ。前例のない初めての試みと企画で、一番不安だったのは前線でパフォームする演者の方々に違いない。

そんな不安があったろうに、限られた時間のなかで曲や振り付けを覚え、我々を笑顔にしてくださった演者の方々には感謝をしてもしきれない。想像されるよりもずっとずっと楽しいイベントにするということは、実はとても難しいことだ。

今回のようにアイドルみんなの魅力と可能性を引き出し、その上で改めてユニットの絆や大切さを再確認させてくれるイベントは絶妙なバランスが難しいだろう。
4thライブを目前に控え、スケジュール的にも大変でいらしたと思うが、またこういった少しお祭り騒ぎ的なイベントが恒例になればいいと思った。
どうかご体調にお気をつけて、悠介役の方もすごく練習されてだろうに、ご本人がどれだけ辛く悔しかったと思うと計り知れない。享介役の方がご挨拶されたように、4thライブでお目にかかれるのを心よりお待ち申し上げている。



サイバネの話
プロミ3日間の内で最も印象深かったもののうちの一つに、Cybernetics Warsある。
サイバネはいいぞとあちこちで耳にしていたものの、ドラマCDと楽曲に触れるだけでサイバネイベントそのものには触れずにプロミを迎えてしまった。
今思うと、そんな状態でプロミに参加したことがとても失礼だったことように思えてならない。無礼なことをしてしまったと思うくらい、
Cybernetics Warsの朗読劇とGenesis Contactは命をかけたパフォーマンスだったからだ。
SideMのアイドル達が演じる役を更に演じるという、高すぎる本職の力でサイバネの世界に引き込まれ、あまりの熱演に泣いてしまった。
わたしが今まで「Genesis  Contactめっちゃいい曲やんな」と言っていた裏でこんな物語があったなんて、そもそも先人の方々が数多く落ちたからこそGenesis Contactが生まれた次第だ。
それなのに失礼なことをしたとムチャクチャ後悔しながら始まったGenesis Contactだったが、旬と冬馬が向かい合って手を差しのべて歌うところで嗚咽を出して泣いてしまった。ペンライトを触れないくらい泣いたのは周りも同様で、梅田のTOHOシネマズはもう阿鼻叫喚だった。

このサイバネ一連の流れを見てるとき、頭をよぎった言葉がある。



Twitterで見かけたときは「うんうん、SideMの歌どれも最高やもんな」等と思ったのだが、サイバネ朗読からの曲披露を見た今、これこそがその説得力だと思った。
あの時わたしは確かに声優の姿の向こうにアイドルの姿を見、アイドルの向こうにサイバネの人物の姿を見た。旬と冬馬の姿の向こうに、ADAMとリクを見た。あれは確かにあの二人であり、わたしは確かに315世界に生きる人間でその一端に触れたのだ。

こんな複数の次元が重なる体験ができるなんて、ものすごい力のあるものを好きになってしまった。圭役のお方が調整してくださったお陰でサイバネの世界が完成された。わたしもこのSideMという作品と演者の方々のパワーに誠実であらねばならないと思った。


Legendersに人生を救われた話
実はプロミの少し前に、Legendersに人生を救われた。冗談ではなく本当の話だ。

私事で恐縮だが、去年挑戦していた受験は11月下旬には結果が出て、関東の学校は補欠で関西は合格だったため、関西の学校に進学するために手続きも全て終えていた。

ところが3月上旬に、関東の学校から欠員のため来てほしいと連絡があり、次の日までに決めてくれと言われた。
関東の方が業界では全国区ではあったが、既に結構高額な学費を納めており、給付金の手続きも終えていた。1ヶ月もないのに諸々の手続き進める自信がなかったし、何より心の準備が全然できていない。せめてあと1ヶ月早く決まってたら親や友人ともっとゆっくりできたし、両校にあるメリットデメリットに決めかねていた。
塾の先生すら「こちらでは判断しかねるわ。ま、合格おめでと(笑)」という感じだった。方々に相談するも、途方に暮れたわたしが頼ったのがこれだ。


youtu.be


Symphonic Braveだ。

スーパー歌うまい集団・Legendersが歌うこのSymphonic Brave、もうお気付きだろう。

そう、ムチャクチャ歌がいい。

SideMをも掴む思いでウォークマンを起動して最初にかかった曲がSymphonic Braveだったが、この曲を50回聴いた。
どこを切り取っても感心するほど歌詞がいいが、特に胸を打ったのが「出会いが君を変えてしまうことを 恐れないでいい 信じて選んでほしい」という部分だ。
結局のところ、未知の環境に行くのに二の足に踏むのはこの恐れが大きいのだ。超シンプルに言うと「関東に行って関西弁が二度と話せなくなったらどうしよう」的な自己の変化に対する恐怖だ。
本当はもっと複雑な感情なのだが、このSymphonic Braveはそんな恐れにそっと寄り添って手を引いてくれる、そんな一曲だ。

Legendersはスーパー歌がうまい集団だが、ちょっと小生意気だけど甘さのある想楽の声とクリスの高らかなテノール、雨彦の極上の包容力がSymphonic Braveではそこにより優しさが加わる。
そんなLegendersに手を引いてもらい、「胸の勇気が奏でるメロディーはそのままでいい」と歌ってもらえるのだ。わたしはこのSymphonic Braveを50回聴いて関東に行くことを決めた。

そもそも国家資格を取って働くのが夢なのだし、規模は全国区であった方がいいに決まってる。頭ではわかっているが、この世にもしSideM、LegendersのSymphonic Braveがなければ勇気がでなかった。
お陰様でいい方向にトントン拍子で話が進み、冗談抜きでSideM・Legendersに未来を救われてしまった。

このSymphonic Brave、ご存知の通りプロミの企画で好きな歌詞ランキングで一位に選ばれた曲だ。
このタイミングでSymphonic Braveに触れてもらえてとても嬉しかった。
Legendersのことはよく知る前、2ndのライブを浴びた時「なんかムチャクチャ歌うまくない?」と好きになったクチなので、プロデューサーのオーディションで選ばれたユニットということは後から知った。
Symphonic BraveはそんなLegendersの軌跡あって生まれ、プロミでSymphonic Braveについて言及されているのを聴いてボロ泣きした。
お隣にいたプロデューサーは「えっ?今???」という感じだったが以上のような理由ーワケーがあるのだ。

SideMは本当に素晴らしい楽曲が多く、辛いときや悲しいとき、エモくなりたいときにもよく効くし前向きな歌がたくさんある。
そしてそれらの歌には、そのユニットが持つ背景だけが添えられる色というものは必ず存在すると思う。
Symphonic BraveはLegendersだからこそ生まれ、Legendersだけが出せる色があるのだ。SideMの数ある大きな魅力は、きっとそこにある。

わたしはこの3日間のプロミによって、ユニットの枠を出て更に可能性や魅力が広がることを心から楽しませてもらった。
4thに向けて先行販売されるらしい楽曲も楽しみだし、それと同時に現在進行中らしいユニットCDが発売されるまで「悪魔 魂 売り方」でググるのはやめられない。
なぜならLegendersとLegendersから生まれた曲に未来を救われたからだ。この選択がどうなるかわからないが、SideMとLegendersがくれたチャンスを“最高”にするためにも、頑張ろうと思う。まずは4thに向けて筋トレを検討中だ(イープラスをメチャクチャ抱いてご準備された)。
わたしはこの3日間のプロミと、Symphonic Braveを50回聞いた日を一生忘れない。
SideMがあればきっとこれからも“最高”になれると信じている。

ありがとう、背中を押してくれたLegenders
ありがとう、Legendersを選んでくれた先輩P
ありがとう、プロミに関わる全ての方々
ありがとう、THE IDOLM@STER SideM