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アイドル達との315な日々

Twitterの文字数では情熱が募るばかりなのでついにブログにまで書いてしまった。
そう、

THE IDOLM@STER SideMである。

どうでもいいことだが、わたしは長年キャラソン的なものに気恥ずかしさを抱いていた。脳内のキャラ像をリアルに結びつける能力が低いのである。オタクとしての経験値が浅いので、声優さんのライブやイベントというものにもあまり馴染みがない。うずまきナルト竹内順子さんのサイン会に赴いたのがやっとである。

そのため、友人である神速一魂のプロデューサー(神速一魂の二人からは番長さんではなく“お嬢”と呼ばれている)に借りたSideMのアニメはハッピーになれるシャブとしてハイになったものの、ライブDVD鑑賞に誘われたときは楽しみ半分不安半分であった。

結果として未知への不安は爆散した。

ジャンカラに持ち込まれたDVDとサイリウム、「おじさんはサイリウム初心者だから初めは一本ね」と渡された光る棒。サイリウムなんてBORUTO応援上映でしか使ったことがない。未知への不安。リズムに合わせて振るのがやっとである。横をみると絶えずコールを送り光る棒を振るお嬢。わたしはカラオケのワンルームで行われる狂宴に戸惑うしかなかった。
また、長年キモブおじさんとして生きてきたため、嫌悪と侮蔑の表情を向けられることには慣れているが微笑みかけられることにはてんで慣れていない。こんなときどういう顔をしていいのかわからない。
最後のパフォーマンスで「せーのっ!」とマイクを向けられても何をしていいのか全くわからない。お嬢は「ひろひろだよ~~~~」「DRIVE A LIVE!!!」と完璧な一方でわたしはおろおろするばかりだった。

しかし、繰り広げられるパフォーマンスが想像していた何倍も素晴らしいものであることは初見でもわかった。まずお歌が上手い。べらぼうにお上手でいらっしゃる。
わたしが見たのはGREETING TOUR 2017 BEYOND THE DREAMだったが、合間合間に寸劇を挟み、演技もしながら歌って踊るのである。すごい。小学生の頃キャンプファイヤーダンスで「アブラハムには七人の子」で手も足も出なかったわたしには考えられない偉業だ。毎日一体どんな練習をして過ごしているのか。
多種多様なアイドルユニットが存在しているにも関わらず、何一つ似通ったキャラクターや楽曲はなく、315プロダクションに所属しているアイドルユニットとしてパフォーマンスしているのである。神速一魂のお二人なんてもう動く神速一魂だ。わたしはこの時、確かに“アイドル”のライブを“浴びた”のである。

ツアー観賞も三回目になろう頃には両手にサイリウムを持ち振りまくっていた。アイドル達がウインクを飛ばしてくれたら歓声を上げたしライブの最後に「せーのっ!」とマイクを向けられたら「DRIVE A LIVE!!!!」と応えることができた。正真正銘プロデューサ ーが誕生したというわけである。

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誰も聞いちゃいないだろうが、ここでSideMが特に素晴らしいと思った点を三点挙げたいと思う。



①多様なキャラクターによる多様な楽曲

SideMに登場するアイドル達の年齢層は幅広い。魅惑のショタから魅惑の30代まであり、バックボーンも元医者から元ヤンキーと様々であり、それぞれが時にデュエットすることでよりバラエティに富んだ楽曲を楽しむことができる。

ここでは更なる沼に沈むことになったDRAMATIC STARSについて少し言及したい。
彼らも少し高めの年齢設定だが、SideMの看板ユニットの一つとして王道感ある爽やかなパフォーマンスをしてくれる。
そしてまた、そんな印象をガラリと変えてくれるのもSideMの魅力である。

「新規はこれで殴れ」という呼び声高い「MOON NIGHTのせいにして」を聴いてもらいたい。
このユニットは先程まで男子高生ユニットとお星さまのキラキラした歌を歌い、星座を描こう等と爽やかな歌も歌うのである。

ところがどうした。いきなり月夜の魔法で「まさに奪うけどいいかな」等と言ってくるのである。先日まで弁護士として法廷に立っていた熱血漢が、普段ぽやぽやしたくいしいぼうさんの元パイロットが、普段堅物すぎるきらいがあるクールな元医者が、トランペットが高らかに鳴るなか大人にしか歌えない歌を歌うのだ(いいわけないだろ)。もう一体どうしたどうした。これには成す術がなかった。オタクはギャップには滅法弱い。気付いたときには“MOON NIGHTのせい”にしていた。先輩プロデューサー達の思う壺で悔しさもあるが、しかしこれはもう仕方がないことなのである。
ライブ映像はアイドルたちに“オンナ”にされた男女達の歓声と声優さん方のパフォーマンスも相まって中毒性がさらに増す仕様になっている。わたしはこのMOON NIGHTのせいにしてを一緒に見てくれるためなら靴を舐めるのも辞さない所存だ。これもぜんぶ月夜とSideMの多様さがなせる技である。



②ハチャメチャに元気をもらえるキャラクター達

先にも少し述べたようにSideMは多様なバックボーンを持ったアイドル達によって構成されている。
そのなかでも最も高い平均年齢なのが元教師ユニット、S.E.Mである。

S.E.Mは元数学・化学・英語教師が生徒を導くためにアイドルに転向したのだが、この歳になるともうこの設定だけで元気をもらえるのである。数学教師の硲先生は32歳にも関わらずアイドルを目指し、最年少の舞田先生は23歳と10歳近く歳の差があるにも関わらず、山下先生と共に教師を辞める。恐らく就職して間もなかっただろうに。

誰かを応援するためにこれまでのキャリアと全く方向性の違うものにチャレンジする。例え二次元でもそういう存在がいてくれると思うだけで、急に一人でアメリカに行けと言われても大丈夫な自信がある。もしわたしがもっと早くS.E.Mに出会ってたら中学生の時に数学で9点なんか取っていなかっただろう。
恐らく、生きていたら今までの自分の経験が及ばないことに直面することもある。しかし恐れるものはなにもない。なぜならもうわたしの心のなかにはS.E.MとSideMがあるからだ。


③推しの話を聞いてくれ

基本的にSideMは皆素晴らしいため箱推しだが、「このユニットを前にすると君たちのことしか考えられない」という気持ちでいっぱいになる二人が存在する。

Altessimoである。
このおかっぱ美少年・神楽麗に限ってはSideMを吸う前から美少年ソムリエとしてツバをつけていた。
わたしの審美眼は間違っていなかったものの、神楽麗の真の魅力に関して到底わかっちゃいなかった。
都築圭と神楽麗、一見叶姉妹のような感じなのかと思いきや自分よりずっと年上の都築圭のお世話を焼く神楽麗が何を体現しているかおわかりだろうか?


可愛さだ。


年上に甲斐甲斐しくお世話を焼く麗の可愛さはさながら神の祝福だが、時には年上としてアドバイスをする都築圭もまた同様に尊い。もう存在が芸術である。なんかもう、表す語彙が失われるくらい可愛い。とにかくメッチャ可愛いのである。

そして歌声のバランスが素晴らしい。ちょっと拙い雰囲気を感じさせる(歌はもちろんお上手)麗の声と巧みさに満ちた圭の声が合わさることで絶妙なハーモニーが生まれるのである。
代表曲、The 1st Movementは後半にいくにつれどんどん二人のハーモニーが高まっていくので、Altessimoを浴びてくれるためならわたしは靴を舐めるのも辞さない所存だ。あなたがもし、誰かに靴を舐めて欲しくなったときはぜひ声をかけてほしいし、そんなことがなくてもAltessimoを聴いてほしい。

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ここまでSideMについて語ってきたが、SideMに限らずもしかしたらこれまでの人生にも、根拠のない苦手意識によって自ら遠ざけてしまった素晴らしいものがあるかもしれない。しかし、これからはきっと未知のものでも進んで触れていき、この世の素晴らしいものに触れていくことができるだろう。そう、わたしにはアイドル達と熱狂した時間の記憶があるからだ。百億光年の孤独は最早ここにはない。なぜなら「一緒に行こう」と言ってくれるアイドル達と共にあるからである。
ありがとう、アイドル達。
ありがとう、制作に関わった全ての方々。
ありがとう、先輩プロデューサーの方々。
ありがとう、THE IDOLM@STER SideM